ちょっと難しめの慣用句は、ドラマの場面と関連づけて覚えるのがおすすめです。
(画像はLINE TVからお借りしました)
你哪壺不開提哪壺
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「身内の不幸で落ち込む友人を励まそうとして集まったのに、わざわざその身内のことを持ち出す左の男の子。その場を盛り上げるつもりでいつも余計なことを言ってしまうタイプです。
なぜこんな場面で「ヤカン」が出てくるのかと言うと、これは慣用句だから。
生水の飲めない台湾や中国では、お茶を入れる時には一旦沸騰させたお湯を使います。「開kāi」は沸騰させること。一度沸騰させて飲めるようになった水は「開水kāishuǐ」と呼ばれます。だから、いくつか並んだヤカンの中から、中の水がまだ沸騰していないヤカンを選んでお茶を入れたりすると、それは相手に対する嫌がらせになってしまいます。
そこから、話題はたくさんあるのに、その中からわざわざ相手の嫌がる話題を選んで口にすることをこの慣用句で表すようになったと言われています。ただし、実際に使われている例を見ると、意地悪でそうしているのではなく、配慮が足りなくてうっかり口を滑らすケースが多いようです。
なお、このセリフでは、ひとつの文の中に同じ「哪」という疑問詞が二回出てきますが、この文型については以下の記事の解説を参考にしてください。
●2.莫非,這就是愛情/邦題:マーフィーの愛の法則(4)/「誰」=「誰」
●5.必娶女人/邦題:結婚なんてお断り(3)/こんな女、そんな女
(2020.3.30)