留学先として検討している方も多い心理学科。その中で、特に教育の側面から学ぶこの学科について、卒業生のスタッフがご紹介します。
心理学関連の学科には、大きく分けると「臨床心理」と「心理カウンセリング」の二種類がありますが、この学科では、後者の「心理カウンセリング」に重点を置いて人材を育成しています。
前者との違いは、「医療」方面へのかかわりが少ないということです。個人から家庭、学校そしてコミュニティー等、関わる分野が医療に限定されず、幅広いのが特徴です。「人」に関わる様々なテーマに触れ、人と人との関係や、相互に与える影響について理解を深めます。
心理学関連のことを学んでいると言うと、いきなり「今私が何を考えているか分かる?」と聞いてくる人もいるのですが、その誤解は解いておきたいと思います。私たちは、背景となる各種資料や本人から提供された情報をもとに分析を行うことはできますが、本人が自分から話してくれない限り、他の人の考えを推測することはできません。もちろん、カウンセラーに相談さえすれば、どんな問題でも答えがみつかるというわけでもありません。
「個別の課題に対して、問題点を整理して明確にし、その人とって最適な答えを自分で見つけられるよう導く」これこそが私たちにできることなのです。
カリキュラム
台湾には多くの民族が暮らしていることや、近年社会が目まぐるしく発展していることから、一般的な心理学関連の各種理論の他、台湾に移住して来た外国人やLGBTに関連する諸課題について等、多様な分野についても学んでいます。
「性別カウンセリング」という科目もありますし、「愛情の心理学」という毎年受講希望者が殺到する科目もあります。でも、授業内容はイメージと少し違うかもしれません。どうすれば恋人ができるのかを学ぶのではなく、人間の愛着について探求する科目なのです。「社会科学研究法」も必修科目の一つで、資料やアンケート調査の結果の分析方法等を学びます。
三年生になると、実習が始まります。小学校教育を主に学ぶ大学なので、実際に小学生の個別指導や集団指導を担当し、カウンセリングを行います。この実習を通して、現場でのカウンセリングの進め方を把握するのです。
こういった授業を通し、徐々に自分自身への理解が深まり、物事を様々な観点から眺められるようになったり、思いやりの心が育ったり、観察力を高めたりすることができます。また、台湾人の気持ちに接することで、心理という観点から台湾の文化、経済や社会の発展についての知識も得ることができます。
卒業後の進路
教育大学に通っているというと、「将来は先生になるの?」と聞いてくる人もたくさんいます。学校全体でみると小学校教育の分野に進もうとしている人が多数を占め、学科内でも小学校のスクールカウンセラーを目指している人が一定数いるのは確かです。
でも、心理カウンセラーや公務員になる人、人材派遣会社や全く関係のない職に就く人もいる等、卒業後の進路にはたくさんの選択肢があります。
学ぶ範囲は教育や心理に限定されているわけではなく、「人」というテーマの周辺にある全てのことであるため、この学科で学ぶことによって、人間の心理及びそれが自分自身に与える影響について理解することができます。
教育大学を選んだからと言って、将来の進路が教育方面に限定されるというわけではありませんし、また心理関連の学科だからと言って「心」に縛られるというわけでもないのです。この学科で私は、自分の人生を模索し、自分の選んだ道を理解し、自分にとって大切なものを選びとることを学んだのです。
★台湾の大学への進学に興味がわいたら、留学生入試情報をチェック!
<PAPAGO遊学村 台湾進学ガイドブック>をご参照ください。
気になられることやご不明な点は、
お気軽に下記までお問い合わせください。