日本語に訳してみたけれど、何だかしっくりこない。そんなもどかしさも外国語学習ではよくあること。今回は、そんな時に役立つツールをご紹介します。
(画像はLINE TVからお借りしました)
不要被當事人牽著鼻子走
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「被~牽著鼻子走」は、鼻輪で引き回される牛のように、誰かの思惑で操られる様子を表します。この場面は、指導役の弁護士が実習生に対して、ある意図をもった「当事者(依頼人)」が、弁護士を利用して自分の目的を達成しようとすることもあると警告しているのです。
このセリフの訳語としては、上に挙げた「鼻づらを(取って)引き回される」がぴったり当てはまるのですが、残念ながら、語感がずいぶん違います。私自身、読んだり聞いたりすれば意味はわかりますが、実際の会話で聞いたり使ったりしたことはない気がします。
だから、こんな大衆向けのドラマのセリフとしては、ちょっと不似合い。そこで、似たような意味の訳語を探すのですが、そんな時に役立つのが「シソーラス(類語辞典)」という種類の辞書です。専用の辞書も販売されていますが、無料で利用できるオンライン版から試してみるのがいいでしょう。
「鼻づらを引き回される」の場合、「日本語シソーラス 連想類語辞典」では次のような類語を表示してくれます。
外国語を勉強していると、自分の母語さえ思うように出てこなくて、歯がゆい思いをすることもよくありますね。そんな時に、このシソーラスは強い味方。翻訳を仕事にしている人にとっても欠かせないツールです。
さて、本題に戻って今日のセリフ。上記のシソーラスで表示された類語を利用して、以下のような訳を当ててみました。皆さんも、訳語を色々入れ替えて、印象が少しずつ変わるのを楽しみながら、この場面にぴったり合う表現を探してみてください。
不要被當事人牽著鼻子走
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(2020.3.9)