ドラマのセリフには、現実の世界ではなかなか学べない(できれば聞きたくない)言葉もたくさん出てきます。
(画像はLINE TVからお借りしました)
小王也能寫出這麼純愛的故事
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今回注目したのは、最初の「小王」という言葉です。
このドラマの主役は、優秀な女性弁護士(方箏)とその下で実習生として働く男性(陳博昀)。
このセリフは陳博昀のもので、「小王」と呼ばれているのは方箏の同窓生(董兆鵬)。「恋愛のプロ」としてマスコミにもてはやされているのですが、人妻との不倫の末に「プロ」とは思えない失敗をしそうになり、主役の二人に助けられます。ところが、そんなことがあった直後でも、ちゃっかり恋愛に関する本を出版してしまう。そんな董兆鵬を揶揄しているのがこのセリフなのです。
中華系の人達の名前は一文字の姓が多いのですが、これを呼び捨てにするのはとても失礼。でもその前に「小」をつけて「小陳」「小張」等とすれば、その失礼さは消えます。ただし、「小」なので目上の人やビジネスの場面では使えません。「~君、~ちゃん」等に近いのです。
「小王」なら、普通は「王君」ですね。
でも、この場面で「小王」と呼ばれている人物の姓は「董」。しかも話し手より年上なので「小」をつけて呼ぶのも変です。また、この「小+姓」の呼び方は、中国と違い、台湾ではあまり使われないことからくる違和感もあります。
実は、この「小王」というのは、人妻の浮気相手の男性のことを指す言葉でもあるのです。台湾ドラマではおなじみの用語。だから、今回のセリフを訳すと、以下のようになります。
小王也能寫出這麼純愛的故事
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ちなみに、浮気相手の女性のことは「小三」、人妻の浮気のことは「紅杏出牆」と言います。ね、現実の世界では、できれば聞きたくない言葉ばかりでしょう?
台湾ドラマでよく使われる用語については、「台湾ドラマの基礎用語」もぜひご参照ください。
(2020.3.1)