台湾ドラマお得意の「ダジャレ」は、こんなキーアイテムにも使われています。
(画像はYouTube三立華劇からお借りしました)
一塊走下去一緒に歩いて行こう |
恋人から贈られたブレスレットには、ハイヒールと一元硬貨の飾り。家に帰ってじっくり眺めているうちにその意図がわかった、という場面です。
ハイヒールは、恋愛カウンセラーのこの女性が、「自分にぴったり合うものじゃないと歩き続けられない」という話の喩えで使ったことが伏線になっています。
一元硬貨の方がダジャレですが、これを説明するためには、台湾の通貨の単位の話を整理する必要がありますね。
硬貨や紙幣に書かれているのは「圓yuán」です。日本語では「円」と書かれる漢字の繁体字ですね。でも、日常生活の表記や話し言葉では、次のように別の漢字や言い方が使われます。
●硬貨・紙幣の表記:「圓yuán」
●商品棚や書類:「元yuán」(圓と同じ発音)
●話し言葉:「塊kuài」
日本語にする場合は、「元」を使ったり「台湾ドル」を使ったりします。後者を使うと、中国の「元」とはっきり区別することができますね。英語で略して書く時は「TWD」です。「NEW」という意味を加えて「NTD」と書くこともあります。
ダジャレの話にもどりますね。「一圓yì yuán」と書かれている「一元」硬貨を見ながら、台湾の人たちは「一塊yí kuài」というのです。(「一」の声調が第四声だったり、第一声だったりする理由はこちら)
「一塊yí kuài」には「ひとかたまり」という意味もあります。そこからこれを動詞の前に置いて副詞的に使うと「一緒に」という意味になります。つまり、「一元硬貨」+「ハイヒール」で「一緒に歩いて行こう」という意味を表しているいるのです。
なお、中国の中国語(普通話)では、「一緒に」という場合「兒(儿)化」して「一塊兒(儿)」と言います。もしかしたら、普段普通話を勉強している人には、このダジャレがあまりピンとこないかもしれませんね。
(2018.6.25)