今日は、家柄の不釣り合いを理由に、恋人から別れを告げられた主人公が、「高級シャンパンだって、ハンドメイドのクリスタルグラスで飲まなきゃ美味しくないものね。私みたいなガラスコップと合わせたら台無し。」と強がりを言う場面から、この2枚のスクリーンショットをご紹介。
(画像はYouTube三立華劇ep1からお借りしました)
こんな自虐的なセリフは、覚えても、実際に使う場面があったら困りますが。
ここで私が気になったのは、「水晶杯(クリスタルグラス)」と「玻璃水杯(ガラスコップ)」の訳語の問題。このカタカナ語の使い分けは、日本語を勉強する外国人にとって、かなり難しいだろうなということです。
同じglassという英語に対応するカタカナ語のはずなのに、「グラス」は容器そのものを指し、「ガラス」は素材を指しています。更に、「グラス」と「コップ」には、高級感の違いもありますね。
中国語ではどちらも「杯」です。しかも、日本語にはもうひとつ「カップ」という言い方もあります。
この問題に注目したきっかけは、アイスクリーム屋さんで、商品を入れてくれる容器のことを、台湾人の同僚が「コップ」と呼んだことでした。「違うよ、それは”カップ”」と言ってみたものも、”コップ”と”カップ”の使い分けがうまく説明できません。
「取っ手のあるものはカップと呼ぶ」という説明もよく聞きますが、その逆の「カップは全て取っ手がある」は成り立ちません。アイスクリームを入れる容器には取っ手がないし、軽量カップ、カップケーキ、カップラーメン等、取っ手のないものは他にもいろいろある・・・
等と考えると、カタカナ語は「外来語」であるとともに、そこから独自の進化を遂げた「新日本語」だということがわかりますね。
グラスとコップとカップの違い、考え始めると、あなたも眠れなくなるかもしれませんよ。
(2016.12.6のブログ記事に加筆修正しました)