日本語なら、英語の発音に似せたカタカナ語で表す言葉も、中国語では意訳することが多いのです。
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瓶頸 píngjǐng ㄆㄧㄥˊ ㄐㄧㄥˇ
日本語訳:ボトルネック・壁にぶつかる
【ニュース記事(2022/05/09)】
跨欄好手林詩亭訓練遇瓶頸 亞運延期鬆一口氣
(ハードル界の名選手林詩亭伸び悩み アジア大会の延期で一安心)
解説
“瓶頸”を直訳すると「ボトルネック」。瓶の首は細いので、中身を取り出す時にそこが上手く通り抜けられないというイメージから、ものごとを進める上での障害になることを表します。
中国語ではよく使いますが、日本語ではそれほど頻繁に使う言葉ではない気がしますね。
では、似たような意味を表したい時に、日本語では何と言うのでしょうか。以前からよく使われていたのは、これを短くした「ネック」。「〇〇がネックになって」等と言いますが、これが「ボトルネック」から来ていることは、あまり意識されていないかもしれません。
この記事のタイトルでは、“訓練遇瓶頸”という組み合わせで使われています。“遇瓶頸”はタイトルにするために“遇到瓶頸”を短くしたものだと思われますが、一時、ハイスピードで記録を塗り替えていたハードル選手が、ある時期から、練習してもなかなか記録が伸びなくなったということを表現しています。
記事の本文には、“訓練遇到撞牆期”という言葉もありました。つまり、“瓶頸”が“撞牆期”と同じような意味で使われているということですね。“遇瓶頸”には、「壁にぶつかる」「伸び悩み」「スランプ」のような訳語もあてることができそうです。
“撞牆期/瓶頸”ような類義語をたくさんストックしておくと、検定試験対策にも役立ちます。問題文に出てきた言葉が、選択肢では似たような意味の別の言葉で言い換えられているというパターンがよくあるから。
ニュース記事では、今回のように、タイトルと本文で類義語を使っているケースが多いので、そういう語句を抜き出してみるのもおすすめです。