オリンピックの時期には、普段あまり見聞きしない言葉が連日メディアに登場します。「メダル」を表す中国語の”獎牌jiǎngpái”もそのひとつ。
「メダルランキング」なら”獎牌榜jiǎngpái bǎng”、「金メダル、銀メダル、銅メダル」は、”金牌jīnpái、銀牌yínpái、銅牌tóngpái”ですね。

(画像は、蘋果新聞網からお借りしました)
ところが、この”獎牌”を画像検索すると、意外なものもヒットするのです。

(”獎牌”に関するGoogle画像検索の結果から)
スポーツ大会の表彰で使う「メダル」だけでなく、音楽のコンクール等の表彰で使われる「楯」も、中国語では同じ”獎牌”です。
”牌”は、”牌子páizi(看板)”や”車牌chēpái(ナンバープレート)”等、少し厚みのある板状のものを指す時に使います。麻雀パイはかなり厚みがありますが、これも”麻將牌májiàng pái”と”牌”を使って指しますね。
”獎牌”と聞くと、日本人はメディアでよく話題になる「メダル」を思い浮かべることが多いと思いますが、首からかける丸いものなのか、卓上に置く四角いものなのかを、中国語では区別していないのです。
同じように表彰で使う「カップ」と「トロフィー」も、中国語では区別せず、どちらも”獎杯/獎盃jiǎngbēi”と呼びます。

(”獎杯”に関するGoogle画像検索の結果から)
この画像にもあるような、細長くて中に何も入りそうにないものを、”~杯”と呼ぶのはどうも納得できないのですが、それが現実なので、受け入れるしかありません。
言葉は、この世界のものごとを分類するための記号。その分類の基準には、様々なバリエーションがあることに気づくのも、外国語を学ぶ面白さなのだろうと思います。