オフィスの近くの牛肉麺屋さんには、おいしい“滷味lǔwèi(台湾風煮物)”があります。この写真は、その中でも特にお気に入りの“豆干dòugān(硬めの豆腐)”と“海帶hǎidài”を盛り合わせたもの。
問題は、この“海帶”の訳し方。このお店で出てくるのは、実は茎ワカメなのです。シャキシャキした食感がとてもいいのですが、「“海帶”って本当にワカメ?」というのがどうしても気になるのです。
コンブとワカメは同じ?
台湾の人たちは、ワカメのことを、”海帶hǎidài”と呼びます。中国語を勉強したことのある方なら、アレレ?と思うかもしれません。”海帯”ってコンブのことも指すことがあるから。
そう!台湾では、ワカメとコンブの呼び方が同じなのです。煮物の結び昆布は、”海帶結hǎidàijié”と呼ばれています。
ちなみに、中国普通話をベースにした日中辞典には、ワカメは”裙带菜qúndàicài” と書かれています。
台湾人の同僚たちも、「コンブ」と「ワカメ」の区別はつかないのだとか。
「コンブとワカメ、って全然違うでしょ!」
「味も食感も見た目も!」
「間違えて使うと、料理がめちゃくちゃになるんだから!」
と、ムキになって説明してみたけど、
「えー、難しーい!」
「同じじゃない?」
となかなか納得してもらえません。
出汁に使うのは”昆布”で、食べるのは”海帶”?
では、商品名がどうなっているのか、我が家に常備してある乾燥ワカメの袋で確認してみると”海帶芽hǎidàiyá”と書かれています。
直訳すると「コンブの芽」。これだと、ワカメはコンブの新芽だと勘違いするのも無理はありません。
こちらも、なぜか我が家に常備してある(笑)セブンイレブンのカップみそ汁の原材料。具材には、ちゃんとワカメが入っていますが、赤で囲んだ部分には、”海帶芽”と書かれているのです。
もうひとつ注目したいのが、その上の青で囲んだ部分。出汁についての記載は”昆布kūnbù”です。
実は、火鍋のお店でも「コンブ出汁」は”昆布”と書かれるのが普通なのです。
これらを総合すると、次のような対応になります。
こんな風に、自分にとっての「当たり前」が揺さぶられるのが、外国語学習の面白さかもしれませんね。