tamari

ライター:たまり

台湾華語と台湾語の波間を漂う日本人。
ブログ「台湾語がちょびっと話せるよ!」で、たまりワールド炸裂中!

衰:ため息と共に思わず漏れる「スェ」

衰:ため息と共に思わず漏れる「スェ」 sue -台湾大学進学,短期語学留学


sue スエ
ついてない、不運である


台湾語だけど、そのまま華語に混ぜてしれーっと使われるタイプのスラング。“”の発音は華語だと“shuāi” 。でも台湾語だから“sue スエ”なのです。とにかく台湾のドラマや映画では相当な出現率を誇ります。実際の使われ方の例、いくつか見ていきましょう。数が多いのでドラマや映画の説明は少なめ♪


 

(1)台湾ドラマ『三明治女孩的逆襲(サンドイッチガールの逆襲)』日本版第11話、15分50秒くらい。会社で色々押し付けらる主人公のシャオチンが「ホントついてない」と嘆く所。

有夠(yǒu gòu sue
ホントついてない

 

(2)台湾ドラマ『墜愛』第4集。主人公の方多米(安心亞飾)が游天樂弁護士(宋柏緯飾)に何度も助けられるのを不思議に思って「私が最近運が悪すぎなのか(それとも彼と縁があるのか)」と独り言。他は全部華語だけどこの“”だけは、安心亞ちゃんもきっちり台湾語で“sue”と言ってました。ボーッとしてると聞き逃しちゃうくらいの自然さですよ。

是我最近真的太
私が最近ついてなさ過ぎなのかな

 

(3)台湾ドラマ『我是顧家男』(第何集かは忘れました)、主人公、徐雙雙の弟くん(徐克)のセリフ。

的是姊夫吧
(一番ツイてないのは義兄さんだよ)

 

(4)私の大好きな台湾映画『一頁台北(台北の朝、僕は恋をする)』でも使われています。悪ガキの一人がスージーを守ろうとしたカイに殴られて、車の中でこう言うのです。

!(chāo sue
マジついてねー

 

(5)最後にちょっと応用編。人気台湾ドラマ『華燈初上』シリーズ3,ep18の最後の方で出てきます。それが、“帶衰(tài-sue だいすえ)”。意味は「災いをつれてくる」、「疫病神」といったところでしょうか。スナック光にお酒を飲みに来たパン刑事に、ローズママがこう言います。

我覺得你一出現就沒有好事耶
(あなたが来るとろくなことが起きない)

それに対してパン刑事が字幕ではこう答えるんですが、

我這麼掃把星啊?
(俺は疫病神か?)

ここの“掃把星(sàobǎxīng)”のところをパン刑事、台湾語で言ってます。“帶衰(tài-sue だいすえ)”  と。こんな感じで彼はけっこうセリフの中に台湾語混ぜてきてますね。台湾のドラマや映画で中国語の字幕と音が違うなと思ったら、それはほぼ台湾語で間違いなし(違う場合もあります)!それにしてもパン刑事、楊祐寧、超かっこいい!