喬
qiáo/tshiâu チアオ
調整する、是正する
華語の辞書を引いても「調整する」という意味が書いてないのは、実はこれは台湾語だからです。“喬”はただの当て字で、「台湾語音訳系語彙」の一つになります。元の台湾語は“撨(tshiâu チアオ)”。ずらして調整する、正しい位置に戻すといった意味です。でも漢字が難しいからか似た音の華語“喬(qiáo)”が使われ、華語読みされることが多いのです。時には注音符号で「ㄑㄧㄠ」と表されることも。
台湾ドラマと台湾映画に出てきた例をいくつかご紹介します。
(1)オムニバス台湾ドラマ『滾石愛情故事』のエピソード1、《愛情》。開始15分15秒くらい。
二人でバイクを駐輪場に停めようとするんですが、場所が一人分しか空いていません。男前の呉慷仁さん、楊丞琳ちゃんに「僕は他のバイク動かして場所作って入れるから、きみがここに停めていいよ」と言っています。
実際のセリフはこちら↓
(画像はYouTube公視公式チャンネルからお借りしました)
我來喬 我來喬
(僕が場所作るから)
(2)台湾ドラマ『鑑識英雄 2』の第4集。林sirのセリフです。
部下にお願いしたいことがあると頼まれて、こういうふうに答えています。
OK 我會喬時間
(わかった、時間を調整するよ)
(3)日本の映画館で台湾映画『情非得已之生存之道(ビバ!監督人生)』(鈕承澤監督/2007年)を見ていたときにも気づきました。
“你喬一喬”(ちょっと調整してみて)のような使われ方でしたが、日本語字幕で見たので表記が“喬”なのか「ㄑㄧㄠ」なのかはわかりません。確認したくて台湾版DVDをネットで探してみたけど現在在庫なし。わかる方がいらっしゃったら教えてください!