どちらも「初回」を表していますが、「一」の声調がなぜか違います。さて、なぜこんな違いが出てくるのでしょうか?
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【ヒント】数字が2以上なら、全く違う意味になる。
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【解説】
「第~次」と「頭~次」は、間の数字が1の場合意味の違いがほとんどありません(”頭一次”は話し言葉という違いはあります)。そのため、以下のような例では両者を入れ替えることができます。
這是我第一次/頭一次來台灣。Zhè shì wǒ dì yī cì/tóu yí cì lái Táiwān.これが私にとって初めての台湾です。
ところが、間の数字が2以上の時は、指している範囲が違ってくるのです。上の図を参考にしながら和訳してみましょう。
A.第一次dì yī cì :初めて、1回目、第1回
B.頭一次tóu yí cì:初めて、1回目
A.第二次dì èr cì :2回目、第2回
B.頭兩次tóu liǎng cì:最初の2回(1回目と2回目)
A.第三次dì sān cì :3回目、第3回
B.頭三次tóu sān cì:最初の3回(1回目と2回目と3回目)
では、この違いが「一」の声調の違いにつながるのはなぜでしょうか。「一」の変調ルールについては、これまでにも何度か解説していますが、ポイントだけ復習してみましょう。
順序を言う場合の「一」は、第一声のままで変調しません。従って、「第一次、第二次、第三次(1回目、2回目、3回目)」と言う時の「一」は第一声で読みます。
これに対して量を言う時の「一」は第四声か第二声かに変調します(第四声か第二声かは、「不」の変調ルールと同じ)。「 頭一次、頭兩次、頭三次(最初の1回、最初の2回、最初の3回)」の数字の部分は量を示しているので変調するのです(第四声 cìの前なので、第二声)。
なお、順序か量かの見分け方で迷った時は、「二」と「兩」の使い分けとの対応で判断してください。数字を2に変えた時に「二」になるのなら「一」は第一声、「兩」になるのなら「一」は第四声か第二声かで読みます。
「二」と「兩」の使い分け及び「不」の変調ルールは、以下のページを参考にしてください。
●ワンポイントアドバイス:「二」と「兩」の使い分け
●中国語の数字、徹底攻略:「二」と「兩」
●ワンポイントアドバイス:「不」の変調、練習方法
●「不」の変調、徹底攻略