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弊社の台湾華語通信講座を受けてくださっている方からよくある質問や、誤解されやすい点を整理してご紹介します。その背景にある現地の習慣や文化にも触れているので、きっと楽しみながら中国語の仕組みを理解していただけるはず。

検定試験対策にもどうぞ!(レベルの分類は、TOCFLを参考にしています)

「覺得、想、認為」、どう使い分ける?

どれも「思う」と訳すことのできる「覺得juéde」「想xiǎng」 と 「認為rènwéi」。中国語から日本語に訳すのはそれほど難しくなくても、日本語から中国語にしようとすると、「あれ?どれを使えばいいの?」と悩む人も多いのではないかと思います。今回は、この類義語の使い分けです。

【ヒント】どのくらい考えて話しているのかを想像してみましょう。

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【解説】

「A.覺得juéde」「B.想xiǎng」「C.認為rènwéi」の違いは、どのくらい考えた後の発言かという差。同じ天気の話をしていても、上の図のように考察の深まり方が違うのです。その結果、下線部のように別の訳語が充てられることもあります。

①我覺得有點冷。(ちょっと寒いと思う/感じる。)
②我明天最好帶把雨傘。(明日は傘を持って行った方がよいと思う。)
③我認為這次颱風會帶來很大的影響。(今回の台風では大きな影響が出ると思う/考えられる。)

考察の深まり方の差は、主観か客観かという差にもつながりやすいので、①は個人的な感じ方を述べているだけという印象を与えるのに対し、③は気象予報士等、専門家や責任のある立場の人の発言のような印象を与えます。

例文をもう少し並べてみましょう。(いずれもTOCFL模擬試験問題 Band_Aの問題文から)

A.覺得juéde
直感。「~と感じる」と訳すこともあるし、訳さない方がよい場合もある。
④他覺得這本書很有趣。(彼は、この本は面白いと思った。)
⑤他覺得現在的家太小了。(彼は今の家は小さすぎると思っている。)

B.想xiǎng
少し考えた後の意見、想像、予想等。
⑥我你現在只能去學校的書店買了。(今は学校の本屋に行って買うしかないと思うよ。)
⑦我那裡的東西一定很好吃。(あそこのものはきっと美味しいのだと思う。)

C.認為rènwéi
様々な状況を総合的に考察した後の判断。「~と考える/考えられる/判断している」と訳すこともある。
⑧很多媽媽認為,不管煮給幾個人吃,要花的時間差不多……(何人分作ってもかかる時間はあまり変わらないと考えるお母さんたちもたくさんいる)
⑨我認為,電影院的要求不是沒有道理……(映画館側が不合理な要求をしているわけではないと私は思う)

ABCを全部使った例文もありました。(TOCFL模擬試験問題Band_A_vol.1リーディング46

曾有一項調查發現,很多員工生病的時候不敢請假,因為他們擔心老闆會不高興,覺得他們沒有責任感。有人認為,員工會這麼是公司的責任。(以前、ある調査からこんなことがわかった。経営者が不機嫌になるのではないか、責任感がないと思われるのではないかということを心配して、病気になっても休みをとりたいと言えない従業員がたくさんいるというのだ。従業員がこんな風に思うのは、会社側の責任だと考える人もいる。)

深く考えない経営者、その状況を自分のことと結びつけて悩む従業員、その両者の状況を併せて総合的に考察する人、それぞれの立場の違いが、「A.覺得juéde」「B.想xiǎng」 「C.認為rènwéi」の使い分けでよくわかりますね。

似たような言葉の使い分けは、きっちり線引きをするのが難しいことも多いのですが、だからと言ってどれを使ってもいいということにはなりません。境界線上にあって「どっちでもいい」という場合でも、どちらかを選ぶことで、そこに話し手の態度や気持ちが現れてくるのでしょう。

もちろん、会話練習の時には、少しぐらいの間違いを恐れる必要はないのですが、細かいニュアンスの違いを理解したいと願い、それを楽しめるようになれば、お互いの意向を尊重したよりていねいなコミュニケーションができるのだろうと思います。