台湾華語
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弊社の台湾華語通信講座を受けてくださっている方からよくある質問や、誤解されやすい点を整理してご紹介します。その背景にある現地の習慣や文化にも触れているので、きっと楽しみながら中国語の仕組みを理解していただけるはず。

検定試験対策にもどうぞ!(レベルの分類は、TOCFLを参考にしています)

「的、得、地」どう使い分ける?

同じ発音なのに、三通りの漢字を書き分ける「de」。最初は迷うかもしれませんが、実は、少し複雑な文の構造を理解するためのカギとなるのです。ぜひ、苦手意識を克服してください。

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【ヒント】役割りと前後の語で見分ける

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【解説】

三種類の「de」の役割りをもう少し詳しく見てみましょう。

1.的

A.名詞句を修飾する連体修飾語を作る

①我書 wǒ de shū/私の本

②很貴衣服 hěn guì de yīfu/高い服

③我買芒果 wǒ mǎi de mángguǒ/私が買ったマンゴー

④這是我買(書、衣服、芒果)zhè shì wǒ mǎi de (shū, yīfu, mángguǒ)/これは私がかったもの(本、服、マンゴー)です。

B.強調や強い肯定の語気を表す

⑤他不會來。Tā bú huì lái de./彼は来ません。

⑥不可以!Bù kěyǐ de!/だめだよ。

」「」は必ず後に他の語句が続きます。だから、deの後ろが句読点や「嗎,吧」等の文末助詞の場合は「」です。④のように被修飾語の名詞句が省略されているか、⑤⑥のような語気を表す場合ですね。

また、「」「」の前には名詞はきません。だから、deの前が名詞だったら必ず「」です。

2.得

以下のような補語を作ります。

⑦他跑很快。Tā pǎo de hěn kuài./彼は走るのが速い。

⑧他(說)中文說很好。Tā (shuō) Zhōngwén shuō de hěn hǎo./彼は中国語を話すのが上手だ。

⑨高興不得了 gāoxìng de bùdéliǎo/うれしくてたまらない

⑩來及 lái de jí/間に合う

⑪想起來 xiǎng de qǐlái/思い出せる

⑦⑧は様態補語、⑨は程度補語、⑩⑪は可能補語と呼ばれるものです。

補語は動詞や形容詞の後ろに置いて、その意味を補足説明するもの。だから「」の前は必ず動詞(又は形容詞)です。

⑧のような動詞を二回繰り返す例で、最初の動詞は省略できるのですが、後ろの動詞は省略できません。間違えて後ろの動詞の方を省略してしまう人が時々いるのですが、省略すると「」の前が名詞になってしまうのでNGです。自分で作文する時のチェックポイントですね。

⑩⑪のような可能補語は、元々「來不及(間に合わない)」「想不起來(思い出せない)」のような否定の形から生まれたもの。だから、deを「不」に置き換えて「~できない」という意味になったら、そのdeは必ず「」です。

3.地

動詞を修飾する連用修飾語を作ります。

⑫好好休息 hǎohǎo de xiūxí/しっかり休む

⑬慢慢說 màn màn de shuō/ゆっくり話す

⑭天氣漸漸變涼了。tiānqì jiànjiàn de biàn liángle./少しずつ涼しくなってきた

の前に置く連用修飾語には、形容詞の重ね型をよく使います。その他、副詞+形容詞の形や動詞が来ることもありますが、単音節(漢字一文字)の語は使えません。

実は、この「」は台湾の人はあまり使いません。それは「」と書いてもいいことになっているから。ただ、中国の中国語(普通話)では、この三種類のdeの書き分けは明確に区別されていますので、将来的に中国の中国語も学ぶ可能性がある人は、「」も使えるようになっておいてください。

中国語は、形から品詞や文法的な役割を見分けることができない語句がたくさんあるので、少し長い文になると、どこで区切って訳したらいいのか迷ってしまうこともありますね。でも、この三種類のdeの使い分けを意識して読めば、区切り方や修飾関係もよくわかるようになるはずです。

(2019.6.9)