AKB48の歌と踊りに対して、「パフォーマンス」という言葉を使うのが適切かどうか。これは、中国語の「表演biǎoyǎn」と日本語の「パフォーマンス」の対応の問題とも関わっているのです。

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【ヒント】素人芸からプロの芸まで、幅広く使える。
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【解説】
中国語の「表演biǎoyǎn」の訳し方を考える時に、日本語の「パフォーマンス」がいったいどの範囲まで使えるのか、と言う問題は切り離すことができませんね。
世界的に有名なバレエ団のようなプロの演技には使いにくいし、幼稚園の発表会や語学学校の外国語劇のような素人劇にも使いにくい。
ところが、中国語の「表演」は、それを全部カバーするとても応用範囲の広い言葉なのです。だから、文脈に応じて、「お遊戯、余興、出し物、発表会、学芸会、ライブ、演技、ショウ、コンサート、舞台、公演、ダンス」等、様々な日本語に訳し分けることになります。
日本語の「パフォーマンス」の使い方については、2017年末の紅白歌合戦の際に、辞書編集者の飯間先生がこんな問題提起をされています。
有村架純さん〈視聴者が選んだ3曲を〔AKB48に〕パフォーマンスしていただくんですが〉。「歌っていただく」だけでなく踊りも踊ってもらうから、こう言うんですね。『三省堂国語辞典』では「パフォーマンス」には(名)とのみあって、「~する」の形を示していません。みんな使ってるのかな。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2017年12月31日
「歌と踊り」をまとめて言うから「パフォーマンス」だとすれば、「安室奈美恵ちゃんは?劇団四季は?京劇は?オペラは?」と色々気になってしまいました。中国語なら全部「表演」が使えるのですが。
(2019.1.30)