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台湾ドラマで中国語

想見你 (5):あくまでも受け身

ひと言でそのニュアンスを説明するのは難しい。でも、だからこそ面白い言葉が外国語にはありますね。

想見你 (5):あくまでも受け身 -台湾大学進学,短期語学留学

(画像はLINE TVからお借りしました)

可是妳卻不願意
でもあなたはそれを望まなかった

自分が過去に恋人の申し出を断ったことを思い出しています。セリフは、この前の場面で他の人から言われた言葉です。


「願意yuànyì」は、次のようなプロポーズの場面でよく使われる言葉ですね。

妳願不願意嫁給我?(僕と結婚してくれますか)ー我願意。(はい)

この使い方だけ見ると、単純に「希望する」という意味を表しているように見えるのですが、この「願意yuànyì」という言葉、実はちょっとクセモノなのです。中国語辞典(白水社)に出てくる例を見てみましょう。訳語もそのまま引用しています。

我很願意幫助你。(私は喜んであなたのお手伝いをしたい)

和訳の「喜んで」もそうなのですが、この「願意」を使うと、本当に希望しているかどうかがわかりにくい。それは、この言葉が「相手からの申し出があってそれに対する同意を示す」という受け身の使い方をするものだから。自分から積極的に希望する場合は、「希望xīwàng」「想xiǎng」等を使い、この「願意」は使いません。

だから、他の人の依頼や希望に対し「それを望まない、気が進まない」という時に、否定の形で使うことも多いのです。それがこの場面です。相手の意向を聞く時に疑問文の形にすることもあります。このドラマの少し後には、転勤を打診する際に「如果你願意的話(もしあなたが望むのなら)」というセリフが出てきますが、これも本人から持ち出した話ではありません。

このように、「願意」はあくまでも「受け身の希望」。上に書いたプロポーズのやりとりも、本当は「自分の申し込みを受けてくれる?」と聞いて、それに「お受けします」と答えているのです。


こんな風に、ひと言でそのニュアンスを説明するのが難しい言葉が外国語にはたくさんあります。でも、だからこそ、そのニュアンスが少しわかると、自分の言葉の世界が広がったような気がして嬉しくなるのです。

(2020.04.11)

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邦題:時をかける愛

2019年末から2020年初にかけて台湾で大ヒットし、最終回を迎えると「想見你ロス」という言葉まで生まれました。色んなところに伏線があるので、何度も繰り返して見る楽しさもあります。