台湾ドラマでは、同じ役者さんが高校生からその10年後ぐらいまでを演じ分けるパターンがたくさんあるので、ひとつのドラマで学園用語とビジネス用語の両方が学べて、ちょっとお得な気がします。
このドラマで最初に選んだのは、訳語にちょっと工夫が必要なこのセリフ。
(画像はLINE TVからお借りしました)
同學 不好意思
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ミュージックテープの販売店で店番をしている同じ学校の女の子に声をかけています。主人公の二人が知り合う場面なので、まだお互いに名前は知らない(又は知らないふりをしている)という設定。
「同學tóngxué」は、教科書の新出単語の訳では「クラスメイト」と書かれていることも多いのですが、この二人は同じクラスでもないし、この場面のように「クラスメイト」と訳せない例もたくさんあります。
そのひとつが、呼びかけ語として使われるケース。名前のわからない生徒・学生に呼びかける時に使います。この場面もそうですね。この後、お互いに名前を知ってからは名前で呼び合うようになるので、この「同學tóngxué」が使われるのは、最初の方だけです。
先生が学生に「同學」と呼びかければ、「ねえ、そこの君」という感じかもしれませんし、校内放送で「各位同學gèwèi tóngxué」と言えば、「学生の皆さん」という意味です。学校の外のお店等で「同學」と呼びかていたら、「学生さん」という訳になるかもしれません。
面白いのは、外で「同學」と呼びかけられるのは制服を着ている時が多かったという台湾人同僚の話。その他の場合は、「弟弟dìdi」「妹妹mèimei」と呼ばれたりもするようです。
名前のわからない人に呼びかける際に、中国語では以下のような言葉もよく使いますね。
●先生xiānshēng (男性)
●小姐xiǎojiě(女性)
●小朋友xiǎopéngyǒu(子供)
こういう呼びかけ語がある中国語に慣れると、「ねえ」「あの」「すみません」等、曖昧な言葉で呼ぶしかない日本語がちょっと不便だなと思ってしまいます。
(2020.04.02)