文脈によっては、こんな言葉も愛情表現になるのです。
(画像はLINE TVからお借りしました)
輪不到你
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母親をがっかりさせてしまったと落ち込む弟に、姉がかけた言葉です。この後、「讓媽失望還有我墊底(お母さんを一番がっかりさせたのは私なんだから)」というセリフが続くので、実はこの言葉を使って弟を慰めているのです。
お互いに大切に思う気持ちはあっても、日々の生活や周囲の人たちとの関係、世間体等も気になってなかなか優しい言葉をかけあうことができないのが、このドラマの家族。
そばで弟を慰めるのではなく、部屋から出る直前に言葉をかけて相手に反論させないようにするところが、主人公の女性の優しさなのでしょう。あえて、ちょっときつい言葉をかけるところが、お姉ちゃんに頭の上がらない弟との関係を象徴しています。
<輪到lúndào+【人】>で、「~に順番が回ってくる」という意味になります。”輪到你了”なら「君の番だよ」です。
”輪到”は<動詞+結果補語>の形なので、間に”不”を入れて”輪不到”とすれば可能補語になります。「順番が回ってこない」です。その状況では、本人の能力や努力ではどうにもならないという意味を表す可能補語を使うことで、「あなたには関係ない」というメッセージがより鮮明になっています。
間に”得”を入れて”輪得到”とすれば、「順番が回ってくる」という逆の意味になります。ただし、可能補語は”輪不到”のような否定形で使うのが基本なので、肯定形の”輪得到”の方は、質問の答えや相手の意見を否定する時等、使われる場面が限られています。
(2021.02.25)