言葉に興味がある人なら、気の利いたダジャレはきっと印象に残ると思いますが、それが外国語なら、他愛もない(くだらない?)ダジャレにも、様々な学習のヒントがあって、ワクワクすることがありますね。
だから、こんなダジャレの場面がたくさんあるこのドラマは、私のお気に入りの作品のひとつなのです。
(画像はLINE TVからお借りしました)
注目したのは、手書き文字の部分。
A.再吵,報警處理
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ドアの下の隙間越しに、メモのやり取りをしているのは、恋敵の男の子二人。部屋の中でAを書いたのは、二人が好きな女の子になりすました男の子。部屋の外で、それを見たBがダジャレで切り返す、という設定です。
「報警bàojǐng(110番する)」と、「抱緊bàojǐn(抱きしめる)」の発音が似ていることを利用した言葉遊びですね。
ダジャレを言ったBは一見チャラいという設定。これを読んだ優等生Aのイライラぶりが想像できて、笑ってしまいました。
このダジャレに注目した理由がもうひとつ。「抱緊bàojǐn(抱きしめる)」と「報警bàojǐng(110番する)」には、nとngの違いがあるのですが、台湾ではこの違いはあんまり意識されていない感じなのです。
以前ご紹介した名前の漢字を間違える(晉 jìn と敬jìng)という場面でも、やはりnとngの違いは無視されています。
今、中国語を勉強している人の中には、「nとngの違いが聞き分けられない」と悩んでいる人も多いかと思いますが、ネイティブでも音だけでは聞き分けが難しいこともあるのです。だから、母語でない外国人が、どうにもお手上げと思うのも無理はない。
心配はご無用!
語彙や文法がしっかり身に着く頃には、この音の違いなんか聞き分けられなくても、ちゃんと中国語が聞き取れるようになるのですから。
(2018.4.21)