今日は、台湾の大学ならではの先輩後輩関係を象徴するこの言葉です。
(画像はLINE TVからお借りしました)
我就是妳的直屬學長
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大学に入学して、新しい生活のスタートかと思ったら、現れた先輩はずっとつきまとってる男の子。しかも「直屬zhíshǔ」という制度で、これから関わる機会も多くなる・・・というような流れなのですが、この「直屬」制度がわからないと、その前後の場面もわかりにくいかもしれませんね。
これは、台湾の大学で、新入生をサポートするために、同じ学科の上級生を個別に世話係として割り当てるもの。1対1とは限らず、どちらかが複数になることもあります。また、高校でも女子校にはこの制度があるところも多いのだとか。
この制度の仕組みをまとめたのが、次の図です。
組み合わせの決め方は、学生番号の末尾だったり、出身高校(出身地)だったりすることも多いようですが、学校によっては、このドラマのような抽選(抽直屬chōu zhíshǔ)もあります。
直接サポートするのは、二年生の役割り。定期試験前に飴やお菓子をプレゼントしたり(歐趴糖ōu pā táng/all pass飴)、不要になったテキストを譲ったりして、新入生をサポートします。
ちなみに「學長」というのは、男子の先輩のこと。女子なら「學姐/姊」、後輩は「學弟、學妹」です。
親しくなると、他人でも家族や親戚に準じた呼び方をするのは、中華圏ではよくあること。この直属制度も、それと似たようなものなのでしょう。1年生から4年生まで、直属の関係にある人たちがひとつの家族になることもあります。
直属の先輩後輩が集まるコンパが「家聚 jiā jù」です。いくつかの直属グループが合同で開催する「聯合家聚」(lián hé jiā jù)もあります。幹事は二年生の役割りです。
このドラマでは、こんな風に呼びかけていました。
日本でも、「メンター制度」のような名前で新入生のサポートをするシステムを取り入れている大学もありますが、そのほとんどは一部の面倒見の良い先輩だけの役割り。台湾のように、先輩も後輩もみんなこの制度に組み込まれるというのとは、違いますね。
面倒見るのも見られるのも、得意な人とそうでない人がいるし、気が合う合わないもある。年頃なので、異性として意識することもある。だから、当たり外れの大きい制度だとも言われています。
でも、一般的には、日本人より台湾人の方が面倒見がよいという印象を受ける人も多いかと思います。だからこそ、この直属制度もずっと維持されてきているのでしょう。
日本の大学でこれから導入、というのはちょっと難しそうですね。
(2018.4.8)