今回はこんな短いセリフ。でも、日本人にとってはちょっと不思議な形です。
(画像はLINE TVからお借りしました)
睡醒啦
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連日の猛勉強で疲れ果てていた女の子。うっかり好きな男の子にもたれて眠ってしまいます。目覚めた女の子に、男の子がかけた言葉がこれです。
面白いのは、「睡醒」という「動詞+結果補語」の形になっているところ。これが今日のキーワードです。
★睡醒shuìxǐng(目がさめる)
直訳すると「眠りからさめる」という意味ですが、日本語でこう言うと、まるで童話の世界の眠り姫。中国語では、なぜわざわざ「睡shuì」をつけるのでしょうか?
中国語には、こういう「動詞+結果補語」の形が本当にたくさんあります。
例えばこんな例。
吃飽了:お腹がいっぱいになった
喝醉了:酔っ払った
中国語の勉強を始めたばかりの頃は、「吃(食べる)」「喝(飲む)」がなぜ必要なのかがわからなくて、ネイティブに何度も質問しました。
この吃や喝は、つけなきゃ駄目なの?
そうすると、ほとんどの人は「つけなくても大丈夫!」と言います。でも、実際はほとんどついてる。
全然、大丈夫じゃない!
お腹いっぱいなのは食べたから、酔ったのは飲んだから、っていうそんな当たり前のことを、なぜわざわざ言葉にして言うのか。日本語の感覚からすると、とても無駄に思えてしまいますね。
「疲れた」も、次のようにその理由から言うことが多い。
走累了:歩き疲れた
打累了:打ち疲れた(球技等)
(8)でも書いたように、「間違えた」もどんな動作なのか、はっきり言葉にします。
寫錯了:書き間違えた
聽錯了:聞き間違えた
これは、中国語が「誰が何をする」という形を好むから。だから、主語も省略しにくい。一方日本語は、「何がどうなった」という結果や状態だけを伝えることの多い言葉です。
「文書が書き換えられた」
という「誰が」のない文が、堂々といつまでもまかり通るのも、日本語ならではの特徴かもしれません。
(2018.4.1)