今回は、漢字の造語力を楽しめるこの言葉です。
(画像はLINE TVからお借りしました)
注目したのはこの部分。
多認真どのくらい真面目か |
チャラチャラしてるように見えるかもしれないけど、本気で好きになったんだ、ということをアピールしてる場面です。この「多認真」は、
多少錢?
等でお馴染みの「(有)多+形容詞」の形で、「どのくらい〜か」と問う疑問詞のひとつ。
「多少」はよく使うので、一語のように感じている人が多いかもしれませんが、次のように並べてみると、同じ種類の疑問詞だということがわかりますね。(:質問したいこと)
多少:数量
多大:大きさ
多高:高さ
多長:長さ
多遠:距離
多深:深さ
多殘酷:残酷さ
多認真:真面目さ
こんな例を見ると、漢字の造語力ってすごいなあ、と思いませんか?
テレサ・テンでおなじみの「月亮代表我的心」の歌詞もこの形で始まります。直訳してみましょう。
你問我愛你有多深
どのくらい深く愛しているのかと、あなたが私に問う
中国語の中では、本当におなじみの形なのです。
字幕のセリフを最初から並べると、こうなります。
我可以向你證明我對鐘少曦是有多認真的。
鐘少曦のこと、どれだけ本気か証明してやるよ。
「どのくらい本気か」「どのくらい残酷か」等の疑問形が、「かなり本気だ」「かなり残酷だ」という意味につながりやすいのは、日本語も中国語も共通ですね。
なお、台湾ではこの「多」を第二声で発音する人がたくさんいます。
(2018.3.17)