今回は、付箋の文字に注目してみました!
(画像はLINE TVからお借りしました)
コンビニのイートインスペースで、ひとり涙を流していた男の子。通りがかった知り合いの女の子に見られてしまいます。
「何があったかしらないけれど、辛いことがあった時は甘いもの食べると、ちょっと元気が出るらしいよ。」という付箋をつけたチョコレートをプレゼントして、女の子はそのまま駆け去ります。
付箋の宛名は「王敬禮」。ところが・・・
連我名字都寫錯
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彼の本当の名前は「王晉禮」なのです。
付箋に書かれた名前はこちら。
★敬禮 jìng lǐ 敬礼
ドラマのタイトルとつながりますね。「立正(気をつけ!)」の次に続くのは「敬礼!」ですから。でも、ちょっと気になることもあります。
本当の名前のピンイン「 jìn lǐ」と比べると、「g」が余分についているのです!
中国語を勉強している方で、nとngを聞き分けるのが難しいと思っていらっしゃる方は少なくないと思いますが、実はネイティブでも文脈なしでは聞き分けられない人がいます。特に、台湾ではnとngの発音が混同されることも多いと言われています。主人公二人の名前とタイトルが、次のように完全に同じ発音になっていることから考えても、この「jing」と「jin」の違いは誤差扱いなのかもしれません。
女性の名前:少曦(shàoxī)/稍息と同音
男性の名前:力正(lìzhèng)/立正と同音
つまり、女の子が漢字を書き間違えたのか、それともその前に聞き間違えたのかはよくわからないのです。
この問題は、日本語と中国語の違いとも関連しています。上の字幕の訳をもう一度ごらんください。
連我名字都寫錯
名前まで間違えてる
日本語では「間違える」だけですむことも、中国語ではその前に動詞をつけて「寫錯(書き間違える)」「 聽錯(聞き間違える)」「 說錯(言い間違える)」「 打錯(電話をかけ間違える)」のように言うのが普通です。だから、日本語ならなぜ間違えたかを曖昧にすることができる場合でも、そこを明確にすることになります。
本当は「聞き間違えた」のか、それとも「書き間違えた」のか。
本当はどっちでもいい時でも、どっちかに決めるしかないのは、中国語の不便なところかもしれませんね。
(2018.3.10)