今日は、前回ご紹介したこのセリフの和訳の問題です。
(画像はYouTube三立華劇ep2からお借りしました)
來 我檢查一下口袋在哪裡さあ、ポケットがどこにあるのか、僕がチェックしてみよう |
実はこのピンクの「か」を入れるのが、中国語母語話者にとって、かなり難しいのです。
この問題を書いてみたくなったきっかけは、中国語を勉強されている方のブログ記事。
“你知道中国人口最多的是哪个城市吗?”
(中国で人口の一番多いのはどこの都市だか知っていますか?)
この文は、疑問詞があるのに、何故最後に「吗」がつくのか、という問題について書かれていたのですが、私はこの和訳の方が気になってしまいました。
上のセリフの和訳と同じように、中国語母語話者の場合、かなり上級になっても、ピンクの「か」が上手く使えず、「人口が一番多いのはどこの都市を知っていますか。」のような文を作ってしまうから。
①這是什麼?
これは何ですか。
のような疑問詞を使った疑問文を作る時、日本語では「か」がつくけど、中国語ではそれに相当する「嗎」がつかない。
この違いは、みんなよくわかっているので、「これは何ですか」「担当者は誰ですか」「締め切りはいつですか」等、文の最後につく「か」は、少し日本語を勉強すればできるようになります。
ところが、上のふたつの例や、次の②のような疑問詞疑問文を埋め込んだ文の場合、日本語では相変わらず「か」が必要なのに、中国語母語話者は、なかなかそれが使えないのです。
②你知道 這是什麼 嗎?
これが何か知っていますか。
最後の緑色の「か」だけは忘れないのですが。それは、中国語では「嗎」のつく文が埋め込めない、という制約があるせいなのでしょうね。でも、日本語では、文の途中にも「か」が平気で出てきます。
③どこの駅で乗換えたらいいのかわからない。
④いつからこうなったのか覚えていますか。
次のような文では、間に2回、合計3回も出てきますね。(中国語では反復疑問文を埋め込むケースです)
⑤明日授業があるのかどうか確認していただけますか?
この違いに慣れるのは、なかなか大変そうです。
「中国語、いつまでたってもわからないことがいっぱいある」と普段は思っていても、こんな例に出会う度に、「イヤイヤ、日本語はその何倍も難しいかも」と思ってしまいます。
(2016.12.17のブログ記事に加筆修正しました)