今日は、前回の記事でご紹介したセリフを少し前から並べてみます。
(画像はLine TVからお借りしました)
セリフを書き出してみましょう。
鐘雨棠 那個 傢伙 現在 應該 還 跟 那包 泡麵 在 一起 吧 鐘雨棠のやつ、今もまだあの“ラーメン野郎”と一緒に違いない |
ご注目いただきたいのは、ピンクと緑の文字の部分。
那個 傢伙 /あのやつ⇒あいつ
那包 泡麵 /あのラーメン
日本語の「この、その、あの、どの」に相当する中国語は、「這,那,哪+量詞」。「量詞」というのは、物を数える時の単位です。「この、その、あの」の時にも、後ろに来る名詞の種類によって、変化するのがちょっとややこしい(でもそこがおもしろい)。例えば、こんな感じ。
この人/あの人/どの人・・・這個人/那個人/哪個人
この本/あの本/どの本・・・這本書/那本書/哪本書
この切符/あの切符/どの切符・・・這張票/那張票/哪張票
“ラーメン野郎”というのは、アーロン扮する紀文凱の恋敵「王子誉」のあだ名。(詳細は過去記事「台湾ドラマで中国語:インスタントラーメン」をご参照ください)。
思いを寄せる鐘雨棠のことを言う時には、ちゃんと人を数える時の単位である「個」を使って、「那個 傢伙」と言っているのに、恋敵をあだ名で呼ぶ時は、インスタントラーメンを数える時の“~袋(ふくろ)”に相当する量詞の「包(bāo)」を使っています。文法としてはこれで正しいけど、そこまで徹底しなくても、と笑えてしまいました。
台湾ドラマのストーリーや美形の出演者を眺めるのも充分楽いけれど、シナリオに隠されたこんな言葉の仕掛けがわかると、もっともっと楽しめますよ。
(2016.10.27のブログ記事に加筆修正しました)