今回は、アーロン扮する紀文凱のこのセリフから。
車の中で文凱がつぶやいているこの言葉。このシリーズの前回の記事と同じように、実際に喋っている言葉と字幕がずれています。
(画像はLine TVからお借りしました)
pàomiàn 泡麵 インスタントラーメン |
「泡麵」という字幕に対し、音声の方は「王子麵(Wángzǐ miàn)」。そのままスナック感覚で食べられるラーメンとしてよく知られているこの商品の名前です。
そして、この場面でもやっぱり音声の方は「王子麵」です。
どんな流れかと言うと・・・
恋敵の名前が「王子誉」。
文凱の方を応援する部下が、この場面の直前に、「あの“王子麵”!」と名前にちなんだあだ名で呼んだことがきっかけで、文凱もこのあだ名を使うようになります。
日本語で言うと、音声は「ベビースターめ!」と言っているのに、字幕は「ラーメン野郎め!」になってる、みたいな感じでしょうか。
そして、「王子麵」という言葉が出てくる度に、字幕は全部(多分?)「泡麵」と書き換えられているのです。
これは、消費者が、それと気付かない形で、ニュースやドラマなどに公告を紛れ込ませるPlacement marketing(中国語では「置入性行銷」)の横行を阻止するという、政府の公告規制に関わるもの。でも、上の写真のように、はっきり商品名が見えてて、役者さんも何度もそれを連呼しているのだから、字幕だけ書き替えて意味があるのかな~、とも思います。
字幕の書き換えについては、以下にまとめの文章を書きましたので、よろしければこちらもどうぞ。
コラム:「字幕がちょっと違う。」
名前にちなんだあだ名、というのは中国語でもよくあります。「王子誉」に好意的な女の子たちは、「王子」と呼ぶので、この対比もなかなかおもしろいですね。
実は、この直前のセリフにもちょっとおもしろい仕掛けがあるのですが、これはまた次回に。
(2016.10.23のブログ記事に加筆修正しました)