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俗女養成記 (7):ボランティア

今回注目したのは、字幕ではなく登場人物が着ているこのベスト。台湾では、様々な施設で似たようなベストを着た人たちをよく見かけます。

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(画像はLINE TVからお借りしました)

志工
ボランティア

スクリーンショットではよく見えませんが、ベストの背中には「志工zhìgōng」という文字が大きく書かれています。これを着ているのは、病院内での移動等を手伝ってくれるボランティアの人なのです。

台湾の大きな病院には、こういったボランティアの方がたくさんいて、様々なサポートをしてくれます。受付や薬局で手続きを迷っていたらすぐ声をかけてくれますし、病院内を移動する時にベッドや車いすを押してくれるのもボランティアの方たちなのです。日本語の通訳ボランティアが配置されている病院もあります。

筆者の家族が台湾の病院に入院した際にも、ボランティアの方たちに大変お世話になりましたが、この仕組み以外にも、日本の病院とは違うと思うところがたくさんありました。今回は、その時の体験を少し紹介してみたいと思います。

日本で入院すると、看護師さんなど仕事として働いている職員さんがほとんどお世話をしてくださるので、よほど重症だったり幼い子供だったりしない限り、家族や友人が入院患者の付き添いとして泊まり込むことはできませんね。ところが、台湾の病院では、自分の身の回りのことができない重症患者には、家族や友人等が付き添うことを求められるのです。

病室と検査室間の移動も、家族が手伝うのは当たり前。看護師さんやボランティアの方と家族が一緒にベッドを押すのです。日本では、素人が下手に手を出してはいけないような印象があるので、最初は見守っているだけだったのですが、ボランティアの方に「ほらほら、そっち押して」と促されて、「あ、手伝わないといけないんだ」と気づいたのです。

シーツや枕カバーを交換するのも付き添いの仕事。各フロアにリネン室があるので、そこに取りに行くのです。パジャマもありました。「自分たちでするのですか?」と看護師さんに聞くと「そうよ。できない時は手伝うから声をかけてね。」と言われました。

入院初日に、「食事はどうする?病院のにする?それとも持ち込む?」と聞かれたのも衝撃でした。日本では、食事も治療の一環で「入院したら病院食」が当たり前だと思っていたから。高熱を出していた家族に台湾の病院食は無理だろうと考えて持ち込みにしたのですが、周囲の台湾の方たちも持ち込みが大半でした。確かに、病院の周辺にはたくさんの飲食店があり、どこも持ち帰りができるので、日本で考えるほど大変ではありませんが、それでも家族が三食届けるのは簡単ではありません。

こういう仕組みで回っているので、病室にはしょっちゅう「付添い派遣業者」のチラシやカードが配られていました。

なお、これはある大きな病院での筆者の体験ですので、全ての病院に共通することではないのかもしれません。

全体的な印象として言えるのは、病人のケアの一部が、ボランティアの方や家族のサポートを前提とされているということでした。

こういった大病院で、もしボランティアの方がいなかったら、入院患者のケアも緊急患者の受け入れも、たちまち回らなくなるのだろうと思います。移民署や税務署でも、ボランティアの方がよく声をかけてくださいます。

そういう社会の仕組みの違いを知ることによって、それまでとはちょっと違う視点でこの世界を見ることができる。それが海外で暮らすことや、外国語を学ぶことの価値にひとつなのだろうと思います。

(2020.12.29)

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邦題:おんなの幸せマニュアル

2019年に大ヒットしたドラマです。

「淑女」になりたくてもなれなかった女の子の成長過程がユーモアたっぷりに描かれてます。

台湾語と華語の関係も重要なテーマになっているので、台湾の現代史や言語政策を考えるための入門教材としても最適です。