ニュースの見出しには、流行語やネットスラングもよく使われます。芸能人がコーヒーショップをオープンさせたという記事の見出しに使われていたこの言葉も、そのひとつです。
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斜槓 xiégàng ㄒㄧㄝˊ ㄍㄤˋ
日本語訳:複数の肩書や職業をもつ
【ニュース記事(2022/03/18)】
黃少祺投350萬斜槓當老闆 網美店藏老婆深情畫作
(350万投資でカフェオーナーにもなった黃少祺、「映える」店には妻が愛を込めて描いた絵画)
解説
元の意味は「斜めの棒線」で、記号の「/(スラッシュ)」を指します。
これが、「複数の肩書や職業をもつこと」を指すようになったのは、そういう人たちが、SNS等の自己紹介欄で、「モデル/歌手/作家」のように、自分の肩書や職業を「/」で並べるケースが多いことに由来しているのだとか。若者が多いので、”斜槓青年”と呼ばれることもあります。
参考サイト:斜槓青年是什麼?和兼差差在哪?面對AI世代一定要懂的斜槓思維
これが、以前から使われていた“副業fùyè”と何が違うかと言うと、どちらが主でどちらが副なのかを区別しないという点でしょうか。収入の多い少ないにかかわらず、自分にとってどの肩書や仕事も大切ならば、それを同列に並べたいというこだわりの表れなのかもしれません。
日本語なら、「マルチキャリア」というカタカナ語になるのでしょうか。以前なら、「二足の草鞋を履く」と言ったりしていましたが、これはほとんど聞かくなくなってしまいましたね。
【追記】
台湾ドラマ『鏡子森林』のセリフを題材にしたブログで、たまりさんが「スラッシュ族」という訳語を提案されています。よい訳ですね!