日本語と中国語で同じ漢字が使われていても、意味がずれている例はたくさんあります。それが、何となくわかったような気になっていたけれど、実はよくわかっていなかったという問題につながることもあるのです。
例えばこの質問、皆さんははっきり答えられますか?

【ヒント】「地」は「地面(じめん)」で本当に大丈夫?
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【解説】
台湾の人に「掃地sǎodì」は何の略かと聞くと、まず返ってくる答えは「打掃 地板dǎsǎo dìbǎn」。「地板dìbǎn」は「床(ゆか)」です。
日本人は、「板」という文字から、何となく板をはったフローリングの床を想像してしまいますが、それだけではありません。台湾のアパートはタイル張りのところも多いのですが、それも「地板」ですし、土足で入るところでも、家の中なら「地板」です。洗面所の床ももちろん「地板」。
一方、日本人が「地」という漢字から想像するのは、家の外の「地面(じめん)」。ネイティブでも、この「掃地」という言葉でそこまで含むと感じる人もいますが、通常は「打掃院子dǎsǎo yuànzi(庭を掃除する)」等を使うことが多いようです。
台湾、特に台北市街地は一戸建ての家が少なく、多くの人はアパート等の集合住宅に住んでいます。「掃地」から「庭の掃除」がすぐに思い浮かばないのは、そういう事情もあるのかもしれません。
ちょっとややこしいのは、中国語の「床chuáng」は「ベッド」を意味すること。
日本語と中国語の「床」という字の使い方を整理するとこうなります。

(2018.10.31)