台湾華語
One Point Advice

弊社の台湾華語通信講座を受けてくださっている方からよくある質問や、誤解されやすい点を整理してご紹介します。その背景にある現地の習慣や文化にも触れているので、きっと楽しみながら中国語の仕組みを理解していただけるはず。

検定試験対策にもどうぞ!(レベルの分類は、TOCFLを参考にしています)

「九jiǔ、對duì、 婚hūn」、「オ」や「エ」が聞こえる気がするのはなぜ?

ピンインからイメージする音と聞こえてくる音がずれていると、自分の耳が悪いのではないかと自信がなくなることはありませんか。でも、本当はその聞こえ方の方が正しいことだってあるのです。

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【ヒント】隠れている音がある

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【解説】

ピンインで中国語の発音を練習する際には、英語や日本語のローマ字つづりからイメージする音をヒントにして、それを少しずつ修正しながら、中国語らしい音に近づけていきます。

一定のルールさえ覚えれば、その修正のコツもわかってくるのですが、中にはそれを覚えきれていない、あるいはちゃんと説明を受けたことがない等の理由で、ピンインからイメージする音と実際に聞こえてくる音の違いに戸惑うこともあるかもしれませんね。

台湾華語では、今回テーマとして選んだ三通りの母音も、気になっている人が多いのではないかと思います。例えば、

九jiǔ:つづりにはない「オ」が聞こえる気がする
對duì:つづりにはない「エ」が聞こえる気がする
婚hūn:つづりにはない「エ」が聞こえる気がする

これは、上の表のように母音の「iou,uei,uen」に子音がつく場合、間の「o」や「e」を落として書くというルールがあるから。

この「o」「e」は、台湾の中国語(華語)の方が、中国の中国語(普通話)よりはっきり聞こえます。おそらく、台湾の人たちが漢字の読み書きを覚える際に使う注音符号では、子音の有無にかかわらず、次のようにつづるせいでしょう。(詳細はこちら

九jiǔ:ㄐㄧㄡˇ(j+i+ou)
對duì:ㄉㄨㄟˋ(d+u+ei)
婚hūn:ㄏㄨㄣ(h+u+en)

私が中国普通話の発音を教える際には、このルールの説明や練習にはあまり時間を割きません。それは、前後の「i,u,n」の口の形や舌先の位置を正確に調整することで、自然に「o」「e」の音を経由することも多いから。中国では、人によって「o」「e」の聞こえ方の差もあるので、相手の発音を聞いて、「あれ?」と思った時にこのルールを思い出せばよいのだと思います。

ところが台湾では、ほとんどの人がこの「o」「e」を明確に発音します。だから、この規則をちゃんと覚えておく方が、ピンインからイメージする音と聞こえてくる音の違いに戸惑うことも減るのです。

最後に、このルールに該当する漢字の例をもう少し紹介しておきます。

①「子音+iou」→「子音+iu」
六liù、休xiū、丟diū、牛niú、留liú、就jiù、秋qiū

②「子音+uei」→「子音+ui」
會huì、水shuǐ、 腿tuǐ、 貴guì、 吹chuī、最zuì、 歲suì

③「子音+uen」→「子音+un」
孫sūn、困kùn、頓dùn、吞tūn、論lùn、尊zūn、村cūn

(2019.6.14)

「中国語の発音は難しい」という声を時々聞きます。

でも、もしも本当に、「中国語の発音は難しい」と思っている人がたくさんいるとしたら、「通じる中国語の発音」は一生の財産になるのだろうと思います。

これから台湾華語の勉強を始める方も、発音の学び直しをご希望の方も、PAPAGOオリジナル教材「丁寧に学ぶ台湾華語(発音編)」を利用して、ぜひ「中国語の発音の上手な人」を目指してください。

日本人の方にとってわかりにくい発音のコツや中国語の勉強方法を、日本語で丁寧に解説する通信講座もあります。