大学・大学院進学
出願先の選び方
早い段階から、自分の学びたいことや将来の夢がはっきりしている人も方も中にはいらっしゃいますが、10代後半から20歳ぐらいまでの方で、それがまだ曖昧なままというのはごく普通のこと。でも、大学進学という大きな節目では、わからないなりに、しっかり考えて一歩前に進むことが必要です。
出願先を選ぶ際の主なチェックポイント
まず、以下の図を参考にして、「A.ご自身」のことを書き出してみましょう。

その後、気になる大学・学科について「B.大学・学科の特徴」を書き出してみます。それを、比べてみることで、そこが自分に合った進学先なのかどうかが、少しずつ見えてくるはずです。
何から始めたらよいかがわからない方は、ぜひ、PAPAGOの無料カウンセリングをご利用ください。スタッフからの質問に答えていただいている間に、自分の学びたいことが少しずつ見えてくるかもしれません。
卒業生や大学の関係者の方の学科紹介も、ぜひ参考にしてください。
課程の種類
台湾の大学の学科は、大きく分けると次の四通りとなります。
A.一般課程 |
B-1.外国人専科 (中国語専攻) |
B-2.外国人専科 (1+3,2+2プログラム) |
C.全英語課程 | |
---|---|---|---|---|
授業言語 | 中国語 | 中国語 | 中国語・英語 | 英語 |
学生 | 台湾人、留学生 | 留学生 | 留学生 | 台湾人、留学生 |
専門分野 |
中国語、英語、経営、 貿易、マスコミ、美術、 情報、生物等 (日本の大学に近い) |
中国語 |
中国語、英語、経営、 貿易、マスコミ、美術、 情報、生物等 (日本の大学に近い) |
観光、貿易、外交、英語等 (選択肢は比較的少ない) |
各課程の特徴

台湾人学生と一緒に、中国語で専門科目を学ぶ課程です。
入学時までに一定の中国語力をつけておく必要がありますし、入学当初は、授業が聞き取れなくて大変なこともあるかもしれませんが、それを乗り越えれば、4年間でハイレベルな中国語力をつけることができます。
選べる学科の種類が多いのも特徴です。


従来から設けられていた外国人留学生専用の中国語学科(B-1)に加え、近年、増えているのが「1+3」「2+2」と呼ばれるプログラムです。
B-1は、とにかく4年間中国語をしっかり学びたいけれど、中文学科で台湾人学生と一緒に学ぶのはちょっと不安、という方に向いています。
B-2については、以下で詳しく説明しています。
1年次は、留学生専用のプログラムで学びながら中国語を強化し、2年次から各学科に分かれて専門分野を学びます。
●中国語力があまり高くなくても出願できるので、台湾留学を決めた時期が遅い方に向いています。
●2年生からは、中国語で専門の授業を受けます。1年間だけで、それだけの中国語力をつけるのは簡単ではないので、入学までにできるだけ中国語の力を高めておきましょう。
●1年前期は、英語で授業が行われるところが多いので、一定の英語力は必要です。
●入学した後で、自分の専門分野を決めることができます。その大学に自分の行きたい学科があるかどうかは、出願前によく調べておきましょう。
東呉大学で、2022年秋から始まった新しいプログラムです。
●3年生からは、中国語で学科の垣根を超えた専門の授業を受けます。専門分野の授業を受ける期間は、他の課程に比べて短くなるという点は注意が必要です。
●力を強化する期間が2年間あるので、中国語の基礎力をしっかりつけたい方に向いています。
●中国語の力が早くつけば、2年次から他の学科に変わって専門分野を履修することができる制度もありますので、入学までに、できるだけ高い中国語力をつけておくのがおすすめです。


授業が全て英語で行われる課程です。
4年間で英語力は大きく伸びますが、中国語は意識して勉強しないと伸びが遅くなってしまうかもしれません。
「英語で」学ぶ学科なので、「英語を」学びたい場合は選べる大学がかなり少なくなります。他の専門科目も、ABに比べると選択肢が少ないと言えるでしょう。
従来は、主に私立大学に設けられていましたが、近年は国立難関校でも、新しい全英語課程が増えています。
出願先選びに関するよくある誤解
事例1:中国語をしっかり学びたい方からのご質問

台湾で中国語をしっかり学びたいので、「中文学科」に出願しようと思うのですが。
ちょっと待ってくださいね。 入学までに、どのくらいの中国語力をつけようと思っていますか?


募集要項には、「TOCFLレベル3が必要」と書いてあったので、そのくらいの力はつけておきたいと思っています。
でも、「中文学科」は中国語をずっと使ってきた台湾人の学生の中でも、その分野が得意な人が行くところなのですよ。

だから、古典を含めて、かなり難しい中国語を学ぶ学科なのです。 入学時には、最低でもTOCFLレベル4、できればレベル5の力をつけておいた方がいいと思いますよ。


えー!その学科は無理かもしれません・・・。 でも、中国語をしっかり学びたいのですが、他にどんな学科がありますか?
外国人留学生専用の学科なら、国立大学でも比較的楽かもしれません。

また、ビジネスや観光等、他にも少し興味のある分野があれば、そういう学科に入って、中国語の運用力を高めながら、他の専門知識も身につけるという選択肢もありますよ。

事例2:英語をしっかり学びたい方からのご質問

英語の力をしっかりつけるには、全英語課程に行くのが一番ですね?
ちょっと待ってくださいね。

全英語課程は、「英語で」他の専門科目を学ぶ学科が多いので、英語そのものについて学びたい人にとっては、選択肢がとても少ないのですよ。


でも、中国語がほとんどできないので、英文科に行くのはとても不安です。
国立大学の中には、「全英語課程」と明示されていなくても、ほとんどの授業を英語で履修できるところがいくつかあります。

また、「中国語で英語を学ぶ」課程に行けば、4年間で中国語と英語の両方の力を伸ばすことができますよ。


では、全英語課程ではない「英文科」も選択肢に入れて考えてみます!
そうですね。でも、まだ他にも選択肢がありますよ。

同じ英語を専門的に学ぶ学科でも、古典も含む英文学をしっかり学びたいのか、それともビジネスや翻訳・通訳等に使える力をつけたいのかによって、選ぶ大学や学科も変わってきますよ。「応用英語」等の学科も選択肢に入れて、カリキュラムをしっかりみてみましょうね。
